<文芸春秋 1990年11月号>

暴利を貪るジャパン・ロビー
初めて描かれるアメリカ人“銀パエ”の実態


ホワイトハウスのちょうど東に位置する財務省から北東の方向に向かってのぴるニューヨーク・アペニュー。その起点に位置するビルの七階に行くと、米国司法省外国代理人登録部がある。パット・チョートが『影響力の代理人』の執筆のため過去三年間何回となく足を運んだところだ。ドアを開けると、ちょうど右側に置いてある二台のコンビュータ。その前に座って私が戸惑った様子をすると、後ろから恰幅のよい黒人のおぱさんが「何かお手伝いしましょうか」とやさしく声をかけてくる。十九年間もここで働いているこのおぱさんはここではちょっとした有名人だ。メアリー・ウィリアムズ、通称メアリー。出入りする人からこの部の生き字引きとして親しまれている。

「日本の外国代理人のリストを入手したいのですが」というと、さっそくメアリーおぱさんは部屋の片隅にある自分のコンビュータを操作して、リストを出してくれた。登録番号、登録者、会社名、登録日が会社のアルファペット順に出ている。例えぱ、富士通を頑顧客とするところだ.けでも九つ、日本大使館は十一、個人名としては今年の一月十二日に登録した石原慎太郎が目を引いた。

今年のはじめチョートのいう「回転ドア」をくぐったデイビッド・オリーブのファイルを引っ張り出す。彼の自宅の住所、出生、活動内容が記してある。三つの活動内容のうち、一つは米国の司法、行政、法案上の富士通の利益に影響を及ばしそうな情勢をモニターすること、とある。裏にはさらに彼の政治活動についての説明、この仕事についてのサラリ一が月額一万一千ドル(約百五十万円)と記してある。登録書に署名した日付は一九九〇年一月十九,日、ワシントン・ポスト紙で彼が国務省の日本デスク.から富士通に引き抜かれたことで日本のロビー活動のあり方が間題にされた翌日である。別の情報筋によれぱ、誰かが共和党のなかでも超右翼のジェシー・ヘルムズ上院議員にちくり、彼が新聞沙汰にしたといわれている。

さらにファイルのぺージをめくっていくと活動資金のリストにぶつかる。一九八九年十月二十五日九万六千ドル、そして一九九〇年三月二十七日までの合計が六十二万八千ドルとなっている。一年.間で一億円近い金が報酬として支払われているわけだ。今度は東芝のところをあけてみよう。ファイルはかなり厚く、例えぱアンダーーソン法律事務所のところには「登録者が東芝事件についてアメリカ側で提案された法案について東芝側を代表し、議員や行政府に東芝の利害を伝達する」という意味のこどが記してある。このように誰でもこの外国代理人登録所に行けぱ、その記録を自由に見ることができる。


懸念される波紋

『影響カの代理人』を書いたことで、いまチョートはワシントン、東京に様々な波紋を巻き起こしている。我々はワシントンで日本企業の代表者、ロビイスト、政府高官にインタビューを試みたが、匿名希望、オフレコでなければ応じられないという場合か多く、大手ロビー会社のなかには断固として一切のロビイストヘの取材を拒否するところまで出てきた。それでも何人かのロビイスト、政府高官は我々の執拗な説得に屈した。これだけ見てもチョートが起こしている波紋がいかに甚大かおわかりいただげるだろう。

議会ではさっそく九月十九日の公聴会で日本ロピーの問題が取り上げられた。チョートと同じテキサス出身のロイド・ベンツェン上院議員が司ったこの公聴会は「米国の政治過程における外国の影響」というテーマで行なわれ、それほど広くない傍聴席は日本人報道陣、日本関係を扱うアメリカ人で押すな押すなの混雑ぷり。証言台に立ったのは『日米逆転』の著者グライド・ブレストウィッツ、最近、"The politics of Rich and Poor"を上梓したケビン・フィリップス、国際投資協会(Association of International Investment")の所長であるエリオット・リチャードソン、そして『買われるアメリカ』でいかに外資がアメリカの顔を変えていっているかを説いたジョージタウン大学の教授スーザン・トルチンという錚々たる顔ぶれだった。おま・けに、上院議員ではペンツェン氏以外に反日派で有名なマックス・ポーカス、ジョン・ハインツ、ドナルド・リーグルが登場したので、まるで日本非難のための公聴会であった。プレストウィッツは聴衆を前にして、

「会場にあふれる日本関係者の数を見たまえ。たとえ、公聴会を開いても、証人は心を開いて証言したくない立場に置かれるだろう。というのも彼らが証言することが彼らに対する復讐に使われるかもしれないからだ」
と皮肉たっぷりに言った。彼の証言のなかには数字を含めて、明らかにチョートの本から引用されたものが多く、スーザン・トルチンにしてもその証言はチョートの『影響力の代理人』のにおいが充満していた。九月二十七日の公聴会ではチョート自身が証言台に立つことになっている。

チョートに関する論評はワシントン・ポスト紙だけでなく、全国的に新聞に掲載され、本人もすでにこのテーマでの講演で忙殺されている。実際、九月の中句にフロリダで七十一人のアメリカのトップのリーダーの前で講演をしたときは聴衆はみごとに魅了され、拍手喝采を惜しまなかった。
TVジャーナリズムでもっとも人気を博し、質の点からいっても恐らく世界中でもっとも優れた番組であるCBS放送の、"60 Minutes"でも九月三十日に取り上げられる。荒波は全米に一層広がることは必至だ。
私がもっとも懸念しているのは一般の人が初めてこの話題に触れたとき、特に、"60 Minutes"という、もっ.とも権威のある番組を見たならぱ「たとえ純粋ジャーナリズムの精神にのっとって報道したにしてもますます反日感情が悪化するのではないか、というこどだ。

今回インタビューした日本企業のワシントンの代表者はそのほどんどが、チョートの『影響カの代理人』について、事実誤認やこじつけが多いと批判しながらも、表立った反論は控えている。ホンダ・ノース・アメリカの副社長、飯塚正吾の「日米関係は徴妙な時期ですから、彼の記事や本が、建設的ではない面で日米関係を悪化させる可能性があります」という懸念の声が彼らの声を代表している。


ロビイングの定義の曖昧さ

チョートの言い分を十分に理解するためには、まず最初に、ロビイングとは何か、を知る必要がある。
ロビイングとは「法案の成立、不成立を目的とした直接、間接の活動」であり、それを行なう人をロビイストと呼ぶ。一方、外国代理人はアメリカ国内で外国の団体あるいは個人の利害のために働く人をさす。彼らは司法省への登録が義務づけられている。外国代理人はロビイングも行なうが、それよりもむしろ情報の収集や広い意味でのPR活動を主な仕事としている。従って、外国企業が雇う広報会杜、コンサルティング会社であっても、議会.政府への影響カを行使しないかぎり厳密にはロピイストとはいわない。しかし、チョートがロビイストと言うとき外国代理人をすぺてこの中に含めているようだ。

日本ではロビィングという言葉を耳にすると、“暗躍”というイメージがつきまとう。裏で何かよからぬことを画策しているといった感じだが、アメリカでは全く事情が違う。合衆国憲法(修正第一条)で認められた基本的な言論の自由をもとに議員、政府役人に十分な情報を提供する重要な役割を果たしている。
チョートはアメリカの政府高官が引退して日本企業のロビイストになり、アメリカの政治、経済を席巻してきたと言っている。しかし、私はまずはじめに、ロビイングは民主主義を健全に保つのに必要であると、言っておきたい。このロビイングのプラス面にチョートは触れていない。

ロピイングは堂々としたオープンなものである。政府役員や議員に様々な観点をもって情報を援供するのは、忙しい議員がインフォームド・デシジョン(情報を十分に与えられた上での決定)をするのに非常に役に立つのである。インタビューに応じた日本企業の人も「アメリカの政策決定は日本よりずっとオープンで、官僚や議員は聞く耳を持っているし、法案の公聴会もきちんと開かれていて、企業にも発言の場が十分に与えられています。日本も早い時期にそうなるべきでしょう」とロビイングの必要性を説いている。

日本企業のロビイストが使う論法は当然のことながら、日本企業のためになるからこうした方がよいとは言わないし、言えない。アメリカの国益、アメリカの労働者、消費者の利益から論じる。もし、アメリカ人にとって何の利益もなげれぱ、誰も耳を傾けないからだ。公聴会でもプレストウィッツは「極端な例だが、サダム・フセインのロピイングをやっている人はいまワシントンに誰もいない。アメリカの国益と完全に衝突するからだ」と言った後、どうしてこれと同じ論理を、それほどドラマティックではないが、恐らくもっと重要な貿易、技術、経済政策の決定にあてはめてはいけないのか、つまり日本ロビーを批判してはいけないのか、と強く問うている。

ハラルド・マルムグレンといえぱ、日本のテレビ産業のロビイストをやり、ダンビングについて日本が支払うべき追徴金をぐっと下げることに成功したことになっている人物だ。彼も.やはりアメリカの国益の観点から、次のように言っている。
「テレビのダンビング問題が起きたときは、私は日本に対して効果的な働きをした。しかし、やはり日本から依頼された捕鯨では全くダメでした。アメリカにとって何の利益にもならないので、どんなに努力しても誰も聞く耳をもちませんでしたね」

チョートはすぺて結果論で判断しているが、日本企業が雇ったロビイストが本当に辣腕であったかどうか、判断するのは甚だ難しい。すなわち、最終決定というのは往々にして、べーカー国務長官が得意わざとする国家間の駆け引きでなされることがあるからだ。


日本が使う莫大な金

チョートは「日本の金の使い方はすさまじい。年間の対米工作総支出は、商工会議所を含むアメリカの五大ビジネス機構の経費の合計を上回っている」とかなりセンセイショナルに書いている。とにかく日本が莫大なお金を便っていることは今回インタビューした多くのロビイストが認めている。先ほどのハラルド・マルムグレンは、「日本がロピイングに莫大なお金をつぎ込んでいることは間違いありません。そのほどんどが無駄金でしょう」
無駄とはどういう意味か、と追求すると、「例えぱ一つの情報を得るのに何人ものロビイストを雇い、情報が重複するのです。フランスなどはケチですから、一つのロビイストに絞り、それでもちゃんとやっています」
という。日本は大盤振舞いをするよいお得意さんということだろうか。

このことについて日本のある商事会社の事務所長は「ヨーロッパ系の企業は小さな工ージュントでも優秀であれぱ使います。日本企業はプランド好みのところがあるので、かなり無駄なお金を使っているかもしれません」
と同意している。また、これもある商事会社のコメントだが、ワシントンでは企業同士で情報をシェアすることなどまずありえない、日本企業が大金を使ってパラバラに情報を収集し、ロビイストやコンサルタントを儲けさせる理由はここにある、と言う。日本はお金を使わざるを得ないということだ。

ところが、みんながみんな日本企業のお金の無駄使いぱかりを指摘しているわけではない。かつて日産のロビイストをやり、主婦の友から千ドルを受け取った疑惑を追及され、ホワイトハウスを去って、一躍有名になったリチャード・V・アレンをようやくパリのホテルでつかまえることができた。朝早くから叩き起こして申し訳なかったが、私の質問に答えてくれた。
「日本人はお金を無制限に使う特権をもっているんだ。ワシントンの日本の新聞社の特派員だって、すしとゴルフぱかり楽しんでいるではないか。そういうお金を無駄だと思うのかね。少しでも仕事が絡んでいさえすれぱそして結果さえよければそんなお金は無駄だと思わないだろう」
段々と興奮してくる。
「必要なにとはアメリカの政治は国内問題であろうと国際問題であろうと衝突する利害関係をいかに調整するかにあり、日本人はやはりロビイストを使わないとその調整をするのは難しいのだよ。だから、お金を問題にすぺきではなく、出てくる結果を問題にすべきなんだ」
こんなふうに言い切った。

リチャード・アレンの現在の主な顧客は台湾で、今は日本の顧客はいないが、日本の会社とはいまでも密接な関係を維持しているという。ちなみに主婦の友事件について変なことを書くと間違いなく訴えるぞ、と脅されたが、それなら身の潔白を証明しろと私は言い返した。
「語すと長くなるので、そんなに知りたかったら、おれのオフィスに資料を取りに来い」
「ちょっと待ってくれ。いま書くつもりはないが、少しだけ教えてくれないか」
「あれはね、ナンシー・レーガンが千ドル受け取ろうとしたのを止めてややこしくなった。あの事件はあくまでもカモフラージュで本当は政治上の闘争があって辞職したんだ」
と言って彼は電語を切った。

全く日本の顧客を持たずに、米国電子工業会を主な顧客としているマイケル・ギャッドポーは、
「確かに、日本は莫大なお金を使っているが、そのほとんどは情報収集です。あまりにも多<の情報を集めているので、それをどうやって処理するのか疑ってしまうほどです。しかし、お金の使い方というものは主観的なもので、結果的に自分に有利な結果がでれぱ使う金額は問題でなくなってきます。アメリカ人は言葉や文化に問題がないので、自分達でロビイングをやる傾向にあります。日本がお金をたくさん出すいい面をいうと、お金が魅力で、ロビイストがたくさん集まるので、ちゃんとした目を持っていれぱよりどりみどりですよ。結果的によけれぱ使った金額はそれほど問題でなくなってくるものです。結果がよければ何でもある程度は正当化されるものですよ」
と説明を加えた。

マイク・マサオカは日系人の権利獲得のために長年闘ってきたが、「日本人はお金を莫大に使っているというが、フォードとGMの方が日本の自動車会社より使っていますよ。彼らはその額を報告する必要がありませんから、表面に出てこないだけです」と言う。また、日本対アメリカで考えるなら、比較にならないほど日本の使う額は少ないとどのロピイストも言っていた。これは当然だろう。ここはアメリカだから国内問題にも相当ロビイングが行われる。全部合計すれぱ日本も足元に及ぶわけがないのである。


チョート氏への批判

数々のインタビューからチョートの記事に対する批判と問題点を摘出してみよう。
・事実誤認が多い。
・話が一方的で、誤解とこじつけが多い。
・なぜ、日本ぱかりが非難されるのか。

例えぱ、米国三菱電機の櫻井威社長によれぱ、フュージョン社のくだりの部分(十月号二百四頁)は相手側の言い方を一方的に聞いて、記事にしたもので事の真相は全く違うという。あの特許は三菱が現在もっていて、記事に書かれているような事実関係はないと主張している。
また、チョートが荷物を運ぶだけの普通の軽トラックと最近ヒット商品になっている多目的用途のマルチ・タイプを混同しているとの指摘も何人かによってなされた。

自動車業界の日本の関係者はチョートの記事を読むと「日本がワシントンを席巻しようとしている、という書き方をしているが、日本企業に米国の政策を左右する力があるとはとても思えません。少々日本を買い被っている感じです」。さらに「政治、経済、外交の面で米国のカが衰えたといっても相対的なもので、いずれにしても米国の力は絶大で、相変わらず世界の指導権を握っていると思います」と実感のこもった言い方だ。,丸紅米国会社の副社長である田中武夫は日本企業の買い被りに対して「美しき誤解」と言った。これはなかなかうまい表現だ。

今回インタピューしたどのロビイストも日本企業関係者も異口同音に言っていたことは、決してチョートに取材された覚えのないことだ。話が一方的になるわけである。

さて、どうして「日本」なのだろうか。先ほどのリチャード・V・アレンは、もともと反日感情がある上に、日本はあまり叩き返さないから、叩きやすいと認め、ヤイターと親しいことで有名なジェームス・レイク(チヨートによれば「ヤイクーに近,づきたけれぱレイクを雇え」と言われた)は日本の商品が目立つこと、対日貿易赤字が巨大であることを挙げ、最後に日本の杜会構造がアメリカから見ると間違っていることを強調し、それがアメリカ人にはなかなか受け入れがたいことを挙げている。話をしているうちに突如興奮して血相を変え、ブーン・ビケンズの話を持ち出し、日本は自由貿易に反することはすぺて止めれぱいい、と私に大声で怒鳴った。
また、日本が一番いいスケーブ.コートだ、特にいまは中間選挙前であるし、選挙運動にはもってこいの材料であるとも言っている。さらに公聴会でペンツェン上院議員は「皮肉なことに我々は外国にこれほどの大がかりなロピイングを許しているのに、我々の会社はその国の貿易の政策決定者に効果的なアクセスを拒否されている。簡単にいうと政治過程に影響を与えようとする場合、両面通行になっていない」と指摘し、マイケル・ギャッドポーもそういうことが日本を批判にさらされやすくしていると断言している。


「回転ドア」の問題

チョートが具体例を挙げながら繰り返し批判する「回転ドア」についてはどうだろうか。例えば、力ーラ・ヒルズがUSTR代表就任の直前まで松下電器産業に、ビジネスおよぴ法的アドバイスを与えていた、とか、「回転ドア」がアメリカの経済政策の尊厳を傷つけ質的な低下をもたらすなかで、アメリカ経済に与えた損害は増す一方である、とチョートの鼻息は荒い。

現在は政府高官は退職後、一年間は外国の代理人になることを禁じられているが、チョートはある特定の政府高官ば退職後の「回転ドア」を全部禁止せよ、と提唱している。ここまで言ってしまえば、「職業上の自殺」と言ってもよいほど極端に思えるが、九月十九日の公聴会で、プレストウィッツもスーザン・トルチンも、先述した富士通のデイビッド・オリープのことに触れ、日米間の交渉の最中に富士通に移った「回転ドア」の例として、痛烈に批判していた。ワシントンの富士通の関係者は「オリープは国務省といっても中間のレペルの人だから、別に問題はないでしょう」と軽くコメントしただけであったが、スーザン・トルチン女史は「回転ドアを止めよ」とその証言のなかで提唱し、sub-cabnetレベルの政府役員は退職後十年間の冷却期間、閣僚レベルは一生、外国政府あるいは外国の会社のために働くべきではないと提唱している。

そこで、実際に典型的な「回転ドア」をくぐったロビイストに話を聞いてみた。日本の顧客を多く持つヒル・アンド・ノウルトン社のパイス・プレジデン}(副社長)というジェームス・マケルロイ氏は地位にふさわしいとは思えないような小さな部屋で、表情をほとんど変えずに言う。
「私はかつて国際貿易委員会(IT℃)で働いていましたが、この会社のマツダの担当が退社し、私に話を持ちかけてきたのです。私はITCを金曜日に退社し、二日後の月曜日にはヒル・アンド・ノウルトン社に入社しましたから、チョート氏の怒る典型的な『回転ドア』にあたります。政府から米国の企業に移る人もいるわけですし、一方的に批判されているような気がします。私の妻はやはりITCで働いていました。いまは地元の航空業界の協会のために働いていますが、チョートの論法でいけば、私は批判され、妻の方は問題にされないことになりますね」
と興味ある実例を挙げた。マケルロイ氏は同じ仕事内容でよりいい条件のところに移っただけだという軽い気持ちだ。

名前を聞けぱ誰もが知っている、ある現役の政府高官は「回転ドア」について、その言葉はネガティブな響きがあるとしながらも、「それがアメリカの政治シ.ステムにとっての強みにつながっている」と結論を先に出し、「政府が民間が何が重要と考えているかを知る上で、行ったり来たりすることは健全なことだと思います」と「回転ドア」の正当性を強調する。彼はこのことについてはカーラ・ヒルズも同じ考えだと思うと明言した。

政府役人はどういう気持ちで働いているのでしょうか、と聞くと、「政府で働いているたった一つの理由は、国のために何かよいことをやっているというだけで、かなりの経済的犠牲を強いられるのです。もちろん地位を悪用すれぱ批判すべきでしょうが、そのときはその行為だけを批判すべきであって、『回転ドア』というシステムを批判すぺきではないと思います。我々はこういうシステムがアメリカにあることを誇りに思うぺきです。我々当人にしても『回転ドア』を通ることは難しい決心で、どんな批判も吸収しなけれぱならないのです。でも政府を離れたあと民間のほうが経済的にはるかに報われるのは皮肉なものですね」
と本音で語ってくれた。


ワシントンの“私立探偵”

日本のロビー活動について考えるとき、東芝事件はあらゆる面で象徴的な意味をもっている。パット・チョートがこの事件を契機にして『影響カの代理人』を執筆したこと。ペンツェン上院議員がアメリカの政策決定に対する外国の影響を問題にしはじめたこと。また、現在焦点となっているロピイング規制法案(ハィンツ法)が東芝事件によって持ち上がったこと。私はこれらの要因をさして、「象徴的な意味」といっているのではない。日本のロビイングについて常に指摘される、「大金を使い、アメリカ人を儲けさせ、しかも効果があまりない」という三大特徴をすぺて、もっとも典型的なかたちで示したことでこれはじっくりと取り上げるに値するケースなのだ。

ワシントンは常に戦々恐々としている。アメリカ人のロピイストが日本企業のカモを虎視眈々と狙っているからだ。ことが起これば、ロピイストが「銀バエ」(ウィリァム・タナカの表現)のように群がってくる。彼らは常に何か付け込む要素を見つけて、問題を起こし、議会に持ち込む。まず火をつけて、問題を表面化するのである。この段階で関連した企業に接触してくるのだ。「俺はXX議員とコンタクトがある。俺にまかせろ」というやつだ。これを追い返すのが至難のわざである。というのもうっかり追い返すと「復讐」がやってくるからだ。

マッチ・ポンプが仕掛けられた場合、一体どうすれぱよいのか。内部事情に詳しい人が手の内を明かしてくれた。
・実カで対抗する。
・威り行きに任せる。
・相手のいいなりになる。

自分に弱みがない場合は、成り行きに任せた方がよい。「やましいことはない。やるならやってみろ」ということだ。また実カで対抗するのにも方法がある。
1、理屈で言い返す。
2、裁判に持ち込む、
3、別の実力者で対抗する。
4、相手の個人的な弱みを調査する。

アメリカはディベートの国と言われるほど、理屈がよく逓る国だ。これでもかなり効果がでるはずである。2は名誉駿損で訴えたりすることだが、実は有カな手段というのが4なのである。日本でいえば興信所、ワシントンでは法律事務所にあたるところが、銀バエを調査するわけである。

こうした私立探偵的法律事務所にも、真面目に身上調査を行なうところから、非合法すれすれで相手に致命傷を与えて手を引かせる“悪”の事務所までいろいろとそろっている。“悪”の手口でもっともよく使われるのが”Sting Operation"(引っ掛け)というやつだ。
ある人間がこちらの弱みに付け込んでゆすりたかりを仕掛けてくる。このとき相手に何らかのスキャンダルを意図的に仕掛け、相手が引っ掛かれぱ、それを材料にしてもみ消しを図る。これがSting Operationの方法である。先の大統領選で有力候補だったゲーリー・ハートに女性スキャンダルが発覚し、そのためハートは脱落した。「ハートはSting Operationでやられた」と巷でささやかれたものである。

マッチポンプというとまず思い出されるのが例の三菱重工・リピア事件だ。昨年三月八日付のデトロイトの新聞に「三菱重工がリビアで壽ガス兵器製造に手を貸している疑いがある」と報じられた。それによると同月一日に開かれた上院外交委員会の秘密聴聞会でCIAの長官が三菱重工関与の疑惑を指摘したという(長官自身はのちにその事実を否定している)。三菱重工広報部によると、毒ガスエ場に関与していないことを証明せよという要請がきたというから、かなり手の込んだマッチ・ポンプだ。一般に関与していることを証明するのは簡単だが、その逆はほどんど不可能である。そういうことを知った上での真の狙いはFSXに絡んだ三菱重工潰しでFSXの日米共同開発に反対する議員だと言われている。


東芝事件の真実

一九八七年三月、東芝機械がソ連にハイテク軍事技術を輸出していたことが発覚した。このときとぱかり、ロピイストは東芝に「銀パエ」のようにたかってきた。こういう輩は何かことが起こるとあらゆる手練手管を使って、近寄ってくる。東芝側もなすすべもなく相手のいいなりになった。東芝アメリカの石坂社長の行動も遅れ、すべてロビイスト達の手に委ねられたのだ。皮肉なことに、ロピーチームの指揮をとったデイビッド・フーリハンには国家安全、国防総省に関連した経験はほとんどなかった。それにもかかわらず引き受げたフーリハンは、まずキャスパー・ワインパーガー国防長官と親しいレオナルド・ガーメントを仲間に入れ、議会に多くのコネクションをもつジム・ジョーンズを引っ張ってくる。彼らに頼りきった日本側の行動の鈍さは、いかに日本が国家安全というものに対して認識が足りないか、如実に証明したようなものだった。事件発覚当時、フーリハンはワシントンのジャーナリストにこう漏らしている。
「日本との文化のギャップのせいか、何が起こっているか日本が気づくまでに時間がかかった」

それにしても、ロビイストたちの自己宣伝は目に余るものがあった。私は当時フーリハンのもとで働いていた三人のロビイストのインタビューに成功した。この三人の証言から大物ロビイストは本当に顧客のために働くのか、それとも“大物ぶり”を立証して自らの契約が有利になることを狙っているのかが明らかになるだろう。

まず、ニューヨークにオフィスを持つウィリアム.ウォー力ー。マンハッタンの荘厳な姿が一望に見渡せるウォール・ストリートのビル。彼はこういう絶妙なマンハッタンの景色を見たことがあるかね、と前置きをして、話しはじめた。
「私はまず二、三人の議員に会って、あれは東芝機械のやったことで、東芝本社がやったことではない、と東芝の立場の説明をし、東芝の方も捜査に協カする姿勢を見せ始めました。しかし、当時の議会の動きを振り返ると、あれはアメリカの反日感情のシンポルでしたね」

.私はすかさず聞いた。
「ということは制栽は必要なかったということでしょうか」
「そうです。東芝の協カの態度をみれぱ、制裁の法的根拠は何もないのですよ」
自信たっぶりに言う。
インタビューが終わって、ウォーカーはゆっくりと立ち上がり、私を見下ろした。.
「随分背が高いですね」と言うと、
「六フィート四インチ(百九十三センチ)だ。スタントン・アンダーソンとよく言ったものだよ。日本人を相手にするときはできるだけ背が高い方がいいな、とね。アッハハハ」
と高笑いをした。

.一方、レオナルド・ガーメントは一旦私の取材の申込に突然の断りを入れてきたが、執拗な私の説得に屈した。明らかに彼は自分が当時派手にやり過ぎたことを批判されていることを知っている。開口一番、「はじめに言っておくが決して謝罪する気持ちはない。私がいなけれぱワインバーガーと接触するのは難しかったでしょうからね」
自慢げに言う。
「私は日本の会社では東芝しか担当したことがない。反トラスト問題とココム事件だ。ココム事件について、一言でいうと、日本があれほど“魅カ的”なターゲットになったことはなかっただろうな。はっきり言うが、あれは相手が日本だからそうなったのだよ」

フーリハンの率いるロビーチームは当時週に一、二回は会合を開き、作戦を練ったという。私はどうしても確認したかったので、さらに聞いた。
「ところで、青丼新社長の署名入りの金面謝罪広告を主要新聞に載せましたね。あれは貴方が書いたという噂がありますが……」
「そうだよ」
あっさり認めた。
「あれはね、ウォールストリート・ジャーナルの編集記者をやっていた妻のスーザンと二日がかりで書き上げたんだ。書くぺき材料はすべて揃っていたので、草稿は二、三時間でできたね。ところで、もうすぐ妻が本を出すが、なかなかおもしろいですよ」

あの新聞に出た謝罪広告の下にちゃんと法律事務所の名前が入っていた。東芝広報部は「連絡先として私たちが指示して書かせ.た」というが、結果的には法律事務所のPR効果のほうがはるかに大きかった。そんな謝罪文に東芝はどれくらいの代金を支払ったのだろうか。ガーメントの時聞給は三百五十ドル(約五万円)だという。五時問かけて仕上げたとしても約二十五万円。東芝が払いすぎていなけれぱいいがと心配である。

さらにガーメントは公の場で「今おれはワインバーガーと食事をしてきた」と豪語したことがある。こういうことを人前で言うことにどんな意味があるのだろうか。少なくとも東芝にとってプラスの要素は何もない。議員たちは東芝が議会を無複して、“頭ごし”の交渉を試みていることを知り、一層の敵意を抱くはずだ。それにガーメントがワインバーガーに何かを依頼したのか、それともたんに食事をしただけなのか、東芝には確かめるすべもない。だが、ガーメント本人にとってこれはブラスなのだ。まずここまで苦労して東芝のために働いているぞという効果。そして、おれはワインバーガーとさしで話せる“大物”だと天下に知らしめる効果もある。

東芝事件でPRを担当したのは、ソニーがコロンピア映画を、三菱がロックフェラーセンターを買収したときに、日本のプロパガンダ活動をしたリチャード・ウェーレンの経営するWIRES(世界情報リソース)だ。

リチャードの息子のクリストファアー・ウェーレンは当時のことを次のように語ってくれた。
「私は東芝事件が起きたとき、ロンドンにいたんです。突然父から電話が入り、あわてて戻ってきたのです」
「で、どういう戦略をとったのでしょうか」
「アメリカの、東芝の関連会社の利益を守ることしかなかったですね。それ以外には何もありませんでした」
彼は続ける。
「我々の書く文は定評があり、右に出るものはいない。当時使った書面をファックスするから読んでいただけるかな」
まるで、すべての広報は才レに任せろと言わんぱかりだった。

結局、制裁は当初よりずっと軽くなり、そういう意味ではロピイングは功を奏したとも言える。しかし東芝は途方もない金額を払ったので、その派手なロビイングは批判の的になった。ロビイングの内部の事情に通じている人は「日本はよど号ハイジャック事件の際、超法規という措置をとりましたね。東芝もあのときの日本政府と同じように企業の危急存亡のときだからと超法規的にゆすりたかりを受け入れ、相手の言いなりになったのです」という。東芝が守った企業利益全体のことを考えれぱ、あのときの出費は仕方ないという人もいるが、超法規を一回やってしまうと、日本企業全体がそういうものだと思われ、ますます「銀バエ」に狙われやすくなることは確かだ。


主導権をとれ!

では、東芝のようなトラプルが起こったときの最大のポイントは何か。それはどこの法律事務所のどんな弁護士を使うか、に絞られる。日本企業はとか<すると昔から関係のあった弁護士や向こうから売り込んでくる弁護士に依頼しがちである。「弁護士は使うものであって、使われるものではない」という鉄則を念頭において、徹底的に相手を試問し、よい回答を出してくれる弁護士を選ぶべきだ。弁護士というのは放っておくと、際限なくお金を使う。ここで大切なのはあくまでもこちらが主導権をとることである。やるぺきことは三つしかない。

一、正しい戦略を与える。
二、必要なことは必ずやらせる。
三、不必要なことは絶対にやらせない。
これが「弁護士を便う」という意味なのである。

日本人が直接ロビイングをやるときも同じで、米国三菱電機の櫻井社長は四、五年前フユージョン社が特許の問題を日米の政治問題に転化しようとしたどきのことを次のように語っている。「アメリカでは黙っていると敗北を認めたことになりますから、議会や行政府に大攻勢をかけました。我々が直接ロビイングをやりました」。USTRには社長本人が歩いていったという。
「日本企業がロビイングをやるとき、たとえ英語が下手でも日本人自ら議会や行政府に足を運ぴ、“日本の顔”できちんと説明しなけれぱ本当の言い分を彼らはわかってくれないと思い支す、その際大切なことは正論で説明することです」

ロピイストを雇う点で米国三菱電機の櫻井社長は「かつてワシントンではいわゆる大物ロビイストが電話一本で影響カを行使していた時代もあったようです」と言っているが、いまは「大物」幻想を捨てたほうがよい。地道にやっていくのが一番である。ここでロピイングは日本人が自分でやった方がいいか、アメリカ人に任せたほうがいいか、という問題が出てくる。最近は自分でやっている日本企業が少しずつ増えてきている。

某商社のワシントン事務所長は「戦後、まもない頃ろくに英語も語せないし、アメリカの政治に精通している人もほとんどいない時代には、ロビイングをアメリカ人に頼ったのも無理はありません。しかし、今はそういう時代じゃない。自分の頭で考えず人に頼る、人に頼ると事情がわからなくなる、事情がわからないから人任せにする、こんな悪循環は断ち切ったほうがよい」と言う。だが、私がインタビューしたアメリカ人のロビイストはそのほとんどが、どれほど英語ができても、アメリカの政策決定の過程を熟知している日本人はほとんどいないど主張する。明確に筋道を立てて理屈を言わねばならない。ヨー口一ツパの人には本能的に親近感があるが、日本に対しては理屈抜きに人種的に反擬するところがあるので、それを乗り越えて論陣をはらなけれぱならないとなると大変だ。基本的には日本側とアメリカ人スタッフとの協調のあり方が問題となってくる。その際、どのアメリカ人も言っていたのは「日本人の意志決定は遅すぎる。それが日本の強みでもあるかもしれないが、こんどの中東問題に関してもアメリカ人は日本に対してどれほどいらいらしたか」ということだ。


草の根のロビー活動

アメリカに工場を持ち、多くのアメリカ人労働者を使っている場合は、企業市民として地域社会に受け入れられることが重要である。自分の工場のある州には特に“いいこと”をしたほうがよい。その州出身の議員が親日感をもってワシントンにいったとき、大きくことは変わってくる。これが「草の根運動」である。ある法案が自社の業務に影響を及ぼすことがわかれば、その成立に反対する手段として、工場長が地元選出の議員に陳情にいったり、従業員も議員に反対の手紙を書いたり、全社をあげて草の根運動をする。地元と仲良くするために、例えぱ松下電器は地域社会プログラムを推進する委員会を組織し、子会社も売上高の○・一パーセントを基準として地域活動に振り向けるように努力している。
日立もIBMスパイ事件後、日立財団を設立し、ポランティア活動にカを注いだのも草の根運動の重要性を認識したからであろう。

州レベルでの草の根ロビー活動で、日本が主導権をもってもっとも成功した例がユニタ・リー・タックス(合算課説)の廃止運動であろう。この際、重要なことは日本が主導権をもったことだ。
アメリカには法人税を課す州が四十五州あるが、この法人税を計算するにあたって州内企業の所得だけでなく、州外にある関連企業の所得まで合算させ、一定の方式に基づいて、その合算所得を州内企業に配付するのがユニタリー・、タックスである。ワールドワイド・ユニタリー・タックスは米国内だけでなく、例えぱ親会社などの米国外にある関連会社の所得まで合算させるというやり方だ。
これで損をするか、得をするかは会社によってことなるが、日本に本社のある場合損をすることが多い。ワールドワイド・ユニタリー・タックスで実際に損をした例は京セラが顕著であろう。京セラのカリフォルニア州子会社の場合、一九七二年から八三年の所得は二千万ドルだったが、親会社の利益が合算されたため、税額は二干百万ドルとなり、所得を上回る税金を課されることになった。おまけに本社はすでに日本で税金を払っているので国際二重課税の間題がある。

そこで、経団運は立ち上がった。団長を伊藤忠の戸崎誠喜会長として、十数人のミッションをワシントン、ニューヨーク、サクラメントに派遣。八四年二月のことだった。戦いは始まった。紆余曲折を経て、デュークメジャン州知事や議会指導者に対して「ワールドワイド・ユニタリー・タックスのゆえに日本企業は投資意欲をそがれている。このままでは州民の雇用の拡大、経済発展は望めない」と訴えた。
八四年は会期終了問際になって米国多国籍企業グループの反対を受けて、法案の成立を見ることができず、八五年も成立を目前にして、おじゃん。
八六年に再度ロビイングを重ねた結果、八月二十六日上・下院を通過、九月五日に知事が署名してユニタリー・タックス修正法が成立した。

私は実際にこのユニタリー・タックス廃止違運動に日本から参加レた人にロビイングについて話を聞いてみた。
「アメリカ人のロビイストを使う点でどんな点に注意されたのでしょうか」
「絶対にこちらが主導権をとらなけれぱなりませんね。実はあるときアメリカ人のロビイストが我々に議会内をうろうろするのはよくない、日本の問題であると思われてしまうからだと言われたことがあるのです。そのときは彼の言うことに従ったのですが、あとから考えてみれぱあれはあちらが主導権をとるための手段だったんですね」

私は具体的なこつが知りたかった。
「かけひきをすれぱよいのですよ。例えぱ、契約は一年限りとか、成功しなけれぱクビにすると脅せば.いいのですよ」
「脅してぱかりいてもうまく行かないのではないでしょうか」
「もちろん、そうですよ。成功すれぱその後も情報収集などの名目で長く雇ってもよい、とか言ってアメをちらつかせるのが大事ですね。といっても、東芝事件の前でしたからうまくいったところがありますね。もしあの後だったら反日感情が頂点に逢していたので、我々のいうことに誰も耳を傾けてくれなかったかもしれません」

私は最近また反日感情が激しくなっているのではないかと指摘すると、彼はしぱらく考えた末、
「そうですね。アメリカ人に任せきりにしてはいけないし、半可通の日本人が独りよがりになってもいけない。いま一番うまくやるには現地人の信頼できる、優秀な役員を雇い、歩調をそろえることです。日本人スタッフも十分アメリカでやっていける人をできるだけ長くおいた方がいいでしょうね」
と締めくくった。

関連書籍
影響力の代理人―アメリカ政治を動かすジャパン・マネー
パット・チョート(著) 岩瀬 孝雄 (翻訳)
早川書房 1991年4月

 
 
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