週刊ポスト 2005年2月4日号
インド洋大津波から1ヶ月。たくましく生きる被災地の人々を現地リポート
復興する「リゾート」


海岸から1キロほどの陸地に無残にも打ち上げられた船の前で、記念撮影をする人々。近くの掲示板には、行方不明者の写真が貼られており、食い入るように家族の写真を捜す人もいる。そのギャップには驚かされる。

タイ・プーケットから北に100キロほどの観光地カオラックではこのような光景が見られるようになった。タイで最も被害が大きかった地だ。しかし、復興は想像以上に早いようだ。

カオラックの隣村では、水道、電気などのライフラインはほぼ復旧した。仮設住宅も被災から1週間後に建設が始まり、4割方完成しているという。ベニヤ板の簡単な造りとはいえ、被害の大きさを考えれば、驚くべき早さだ。

「ここの漁村は、ほとんど死んだよ。漁を終え、船から魚を下ろそうとした時に遭遇した」(仮設住宅に住む男性)

家族12人のうち8人を亡くしたという父親は、肩を落としながらも、前向きな表情で語るのが印象的だった。

約8割のホテルが壊滅したピピ島では、海中に沈む鉄や銅などの金目のものを拾い集める人、川に浮かぶ商品を集め生活の糧にしようとする人が後を絶たない。破壊されたホテルや家の中にまで足を踏み入れ、柱や電線などの金属を集めて売る者もいる。

そしてもっとも急ピッチで復興が進むのが、プーケット島。真っ先に清掃が済んだビーチには、水着姿の外国人も見受けられる。商店街では、テレビなどから集めた、津波の映像を収めたCDが4枚で約2000円ほどで売られていた。聞けば「警察に注意されて販売を一時的にやめたが、また営業を再開している」という。その商魂のたくましさには脱帽する。

歓楽街も壊滅状態だが、飲食店やマッサージ店など、さっそく営業を始めている店も多い。夜に歩いてみると、マッサージ店の女性が店頭で呼び込みをしていた。

カマラビーチ付近の小学校では津波で校舎を破壊され、約350人の児童たちが、近くのリゾートホテルで1月10日から授業を再開していた。教師のスナさんも「津波のことはもう過去のことなの」と、明るい表情で語ってくれた。

不幸を乗り越え、復興に向けてたくましく生きる人々の姿。タイ政府の観光当局は、同国南部の全リゾート地を3ヶ月以内に整備し直すという。大津波の爪痕はまだ残るが、リゾート地復興の日もそう遠くはないかもしれない。





破壊された漁村

掲示板

ホテルや家屋などの瓦礫の中から鉄クズを拾い集めるピピ島の人々。プーケットに比べ被害がひどい同島では、まだ手つかずのところも残る。

無事だった四つ星リゾートホテル「カマラ・ベイ・ガーデン・リゾート」のプールサイドは、校舎を失った小学生たちの青空学校となっていた。

日本人を助けた象
 
 
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