皮肉な言い方ですが、最善の規制は、問題のある組織を倒産させることです。1998年にLong Term Capital Management(かつてアメリカのコネチカット州に本部を置いたヘッジファンド、ノーペル経済学賞受賞者が取締役会に名を連ねた)を倒産させていれば、現在のような状態にまで事態は進まなかったでしょう。あの時点で倒産していれぱ、ベアー・スターンズもリーマン・ブラザーズも大きな打撃を受けたでしょうから、彼らがそれから始めたようなピジネスは実行できなかったでしょうし、やる気もなかったに違いありません。
いちばんの問題は、アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)にあります。FRBは誰も倒産させてはいけない、救済しなくてはいけない、と言い続けました。前議長アラン・グリーンスパンの言葉を借りれば、"Nobody
could fail."です。しかし繰り返しますが、もし10年前にLong Term Capital Managementを倒産させていれぱ、今日発生したような問題は起こらなかったのです。
今回バーナンキは大量に紙幣を印刷し、すべての不良債権を引き取ってFRBのパランスシートの債務を3倍に増やしました。これを誰が負担するのか。アメリカの納税者です。その結果、システム全体がひどく弱体化していく。彼らは自分で何をやっているか、わかっていない。毎日、"Oh, my God!"、と叫んでパニックに陥っているだけです。一歩引いてアプローチが間違っていることに気づけぱいいのですが、彼ちにはそうする時間もなく、脳もありません。愚の骨頂です。本当に間抜けです。
エネルギーはこれからどうなるでしょうか。現在の状況が石油や金属など資源に与える影響は計り知れません。ローンが組めないので、亜鉛、ニッケルの炭鉱は閉鎖され、価格は生産コスト以下になっています。エネルギー価格も下がっています。風力発電と競争しなくてもいいほどです。太陽発電も同じ。いま効率よくエネルギーを供給している人は儲けるでしょう。IEA(International
Energy Agency 国際エネルギー機関)がちょうど研究結果を発表しましたが、世界のエネルギー埋蔵量は年に6〜7%の率で下がっているということです。すぺての油田に行って調ぺたのです。エネルギーについていえぱ、石油が問題になるのはそう遠くありません。