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第3回 取材活動に広報やエージェントは使うなかれ!
有名人、公人への取材の申し込みは広報やエージェントを通すのが普通だが、断られた場合にどうするか、という問題が常に立ちはだかる。広報に断られてそれで終わりにすれば、これほど楽な仕事であることはないが、ぼくのところに来る仕事のほとんどは断られそうな取材なので、広報に断られてあきらめていれば仕事はなくなってしまう。特に相手がいやがる取材、相手にとってどうでもいい取材、取材が殺到している場合、広報から先に進むことはない。さらにアメリカでは日本のメディアの存在は頗る薄いので、日本のメディアというだけで相手にされない場合もある。逆に、ジョン・ボビットのペニス切断事件(夫婦喧嘩の挙句、ペニスを切られた事件、阿部定事件のアメリカ版)のように、世界的に耳目を集める事件の中には、自宅に電話を入れると取材のことなら、本人とは違うA氏に電話するように言われることがある。一攫千金を狙うエージェントがすでにハイエナのようにくっついているのだ。そうなるとインタビュー時間と謝礼額の交渉だけで済むので、説得する努力は必要ない。
アメリカ人は日本無関心
私はアメリカに18年住んでいたが、アメリカの中、アメリカ人の頭の中での日本の存在がいかに薄いか、痛いほど思い知らされた。日本に関心のあるアメリカ人は異常であると言っても過言ではないほどほとんどのアメリカ人は日本のことに関心がない。10年ほど前に知り合った現役FBIエージェントも「日本にはまったく関心がないね。ぼくの友人でも知人でも日本に関心がある人は誰もいないよ」と口癖のように言っていた。
ここまで日本に関心がないとわかっていても、そして話が前に進まないことがわかっていても、例えば議員への取材依頼があると、一応プレス担当に連絡する。まず本人にメッセージが伝わることはないと考えた方がいいが、本人を直撃したときに、きちんと広報を通そうとしたと言えるから、一応広報に連絡するのだ。
突撃取材は普通のこと
10年以上も前の話。グラビア取材でリチャード・ゲッパート下院議員と愛犬の撮影依頼があったときに一応プレス担当に電話を入れるが、相手にされていないことが最初の一言で分かる。アマコストが駐日大使に決まったときもそうだった。他にも議員へのインタビューは何回もあったが、すべて相手にされていないことが応対の最初の一言でわかる。本人は予定がつまってそれどころではないとか、「一応本人に聞いてみます」と電話の向こうで言われても、絶対に本人に伝わらないことは、声のトーンでわかってしまう。とても面倒くさそうに、そして機械的に応対しているからだ。彼らにとって日本のメディアに応じることは何のメリットもないので、なおさら機械的に応対される。
こういうときはアポなしで自宅を直撃するしかないが、ベルを鳴らして、広報にきちんと取材を申し込んだことを伝えると、「そういう話は聞いていないが、何がほしいのか」と決まって言われる。当人が帰宅していない場合は、奥さんと世間話をしながら、帰宅を待つ。いつ帰ってくるかわからない場合は、レンタカーの中で待つから、夫が帰宅して落ち着いたら教えてほしいと奥さんに伝えて、家の前に止めた車の中で待つ。議員である夫が帰宅すると、奥さんが「ミスター・オオノはきちんと広報に連絡したけれども、あなたに伝っていたの?」と聞いてくれるようだ。取材が10分以内で終わることを伝えて拒否されたことは一回もないが、アポなしで自宅に直撃するのが普通になると、アポの入った取材がいかに拍子抜けに感じることか。
基本はアメリカのメディアと同等扱いさせること!
エージェントもまたしかり。基本的には取材を拒否するためにあると思った方がいい。特に取材が殺到している場合は、そこですべての取材申し込みの堰止めをするために存在すると言っていい。
たまに広報部やエージェントに、国際担当部というのがあるが、ぼくは絶対に連絡しない。アメリカのメディアと同等扱いされることが出発点の最低条件であるからだ。100メートル競争で言えば、同じスタートラインに立たないといつまで立っても後回しになってしまう。
次回では実際に行った交渉を書くが、とにかく取材拒否されたときにこそ、初めて本格的な取材が始まると考えるべきである。
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