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第21回 どうでもいい国・・・
日本がどれほど国際化したとは言え、まだまだ孤立した国であることは変わりない。アジアの他の国からも嫌われている上に、日本が片思いであるアメリカからはどうでもいい国であると思われている。ビジネスに関係しない限り、日本のことを心から好きである白人は異常だと言われるほど、白人からみると日本はどうでもいい国であるらしい。
ハンチントン教授の警告
そのことは18年もアメリカに住み、仕事柄あらゆる層の人に会う機会があったので、痛感していたが、今回ほど痛感したときはなかった。1996年に『文明の衝突』を上梓して、冷戦後の世界秩序を予見し、みごとに当てたハーバード大学のサミュエル・ハンチントン教授に独占インタビューする機会があった。日本のメディアで取材に応じたのは、ぼくとNHKだけだ。日本について博士はこう言う。
「日本は文化的にどこの国ともつながりがないから、孤独な国です。どこかの国と仲良くしておかないと取り残されます。中国にも追い抜かれることも目に見えています」
アメリカが移民の国であることは今更言うまでもないが、最近の移民は自分の文化をアメリカに持ち込み、同化しようとしない。博士はそのことを憂い、こう嘆く。
「アメリカは白人の文化であり、アングロ・プロテスタント文化こそアメリカです。アメリカに移民として入ってくる人は、この文化に同化しないといけません。でないとアメリカは分裂する」
博士と話していると、かなり排他的な感じを受けたが、アメリカは移民の国であり、いろいろな国からの移民がいることがアメリカの強みになっていると思っていたら、その逆であったのだ。
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| サミュエル・ハンチントン教授へのインタビュー風景 |
マイケル・ムーアのソロバン勘定
日本がどうでもいいと思われていることは、もう1つの取材のときも痛感した。マイケル・ムーアである。前回も独占インタビューを取るときに死に物狂いだったが、今回は、もっと難しい。カンヌ映画祭でパルムドール賞をとった『華氏911』について、やはり独占インタビューをせよというミッション。今回は前回と比べものにならないほど敷居が高く感じられる。ロサンゼルスで直接その映画にかかわっている人と食事をしながら、いろいろ話した。
「今回は、あまりにも話題になっているので、インタビューを許可することでプラスになることがわかっていないと、許可しない。ムーア自身が許可するのではなく、その周辺にいる利権にからんでいる人がすべてを握っているから、普通のジャーナリスティックなアプローチではどうしようもない。利権の枠に入っていないとだめなんです」さらに彼はこう説明するのだ。
「日本はこの映画に関して、最初に莫大なお金を払っています。映画もできないときからアメリカはお金を出しません。そういうときに日本が出して、いざ映画ができるとアメリカの会社が利権がらみで入ってきて、日本を追い出します。ムーア自身は日本のことはどうでもいいと思っていますし、日本のメディアの取材に応じても何のメリットもありません。大事なのはアメリカの国内メディアです。今でも取材依頼は千件は来ていますね」
一人の力では・・・
最初に日本がお金を出さざるを得ないのは、そのときに出していないと後から相手にしてもらえないからだ。しかし、出すだけ出させて、後は知らん顔されるのだから、どうみてもフェアではない。少なくとも何かのお返しをする道徳的義務があると思うのはぼくだけであろうか。いつまでたっても、日本はお金を出す国で、それ以外では相手にされていないような気がする。腹を立てても埒があかないが、ぼく一人の力ではもうどうしようもない。
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