低所得者はFXで儲からない??年収からわかる衝撃の事実

 

外国為替証拠金取引(以下、FX)で利益を出すことが出来た人は、全体の約6割である…この数字を見て貴方はどう考えますか?「FXって意外と簡単?」「FXはやっぱり怖い…」など、様々なお考えが浮かぶでしょう。

 

実はFX取引の勝率は年収によって変わってくる、という衝撃の事実が判明しています。

 

金融先物取引業協会が2017年に発表した資料「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」(以下、実態調査)によると、FX取引で儲けることが出来た人は全体の60.3%だったとのことでした。数字だけを見れば半数以上の人が、FXで利益を出すことが出来ている、ということになります。

 

しかし全体の半分以上の人がFX取引で儲けているからといって「私もFX取引をやれば利益を出せるかも!」と迂闊に手を出すのは危険です。

 

まずはFX取引を実際に行なっているのはどのような人達なのか?その背景を知ることが必要ではないでしょうか?上記の実態調査は50ページ以上に及ぶ資料ですので、様々なデータが記載されています。その中から、FX取引をしている人達の年齢は?性別は?年収(世帯年収など)は?などの背景について調べてみました。

 

  • FXやってる人の多い年代と性別

 

まずはFX取引をされている人たちの年代、性別について調べてみました。

 

なお上記の金融先物取引業協会による実態調査の対象者は1,000人となっています。

 

元となるのは「金融先物取引に関する個人投資家の意識調査」で、FXの取引経験有りと答えた人です。

まずFX取引をしているのは男性が多いようです。男女比率は大まかの8:2となっています。男性は30代が最も多く、次に40代という順になっています。女性では40代、50代が多くなっています。全体的に中年層が最もFX取引に手を出している、という特徴が読み取れると思います。

 

ちなみに同調査によると、FX取引経験者の内、FX取引の経験年数が「5年以上」と答えた人の割合は44.9%と、約半数の人は取引年数の多い熟練者です。一方でこんな興味深いデータもあります。

 

それは若年層ほどFX取引年数1年未満の初心者が多く、30代以降になるとFX取引年数が5年以上のベテランが増えていく、という点です。FX取引年数1年未満の割合を見ていくと、男性20代は42.4%、女性20代-30代で41.5%となっています。ところがFX取引年数5年以上の比率見ていくと、男性20代は12.5%、女性20代-30代は24.4%と激減しています。一方で30代以上でFX取引年数が5年以上の比率は、男女問わず40%を超えています。これが何を表すかと申しますと、FX取引を始めて1年の間でかなりの方が退場を強いられていること、言い換えれば「1年間戦えたのであれば、その先3年、5年も戦える(生き残れる)」ということかもしれません。

 

  • 実際みんなどのくらい儲けてるの??

 

それではFX取引で実際にどれ程の利益を出せているのでしょうか?皆様にとって恐らく最もご興味のあることかと思います。

 

先に述べました通り、全体の半数以上となる60.3%の人がFX取引で利益を出せていると回答しています。FXで利益を出せるのは全体の3割くらい、という事がよく言われていますが、上記の実態調査を見る限りでは、真相は異なるのかもしれません。

 

それでは実際にどれ程の利益を出せているか?についてです。これは正直ガッカリされる方が多いかと思いますが、同実態調査によればFX取引で100万円以上の利益を出せたのは全体の7.5%でした。思っていたより少ないと感じる方が多いかもしれませんね。

 

実態調査によれば、FX取引による利益も損失も20万円未満だと答えた割合が全体の64.0%となっています。正確に申し上げれば、FX取引による利益が20%未満だと答えた割合が35.6%。FX取引による損失が20万円未満だと答えた割合が28.4%でした。合わせて64.0%、半数以上のFX取引経験者は少額の利益ないし損失となっています。これは意外だと思う方は多いのではないでしょうか?

 

ここで頭に入れておくべきは、この実態調査の対象者の内、半数近い44.9%がFX取引経験年数5年以上のベテラントレーダーであること、またそもそも調査対象者は「生き残った」トレーダーであるという点です。彼ら彼女らはFX取引で退場することなく市場を生き抜いてきました。もっと大きな利益を出せているのかと思いましたが、意外と儲けは少ない傾向にあるようです。

 

なおこの調査においてではありますが、100万円以上の損失を出したのは全体の3.2%となっています。FX取引のリスクは充分に学んでおくべきでしょう。

  • 年収と勝率の関係

 

ここまでは金融先物取引業協会が行った実態調査の中から、FX取引の経験年数、年代、性別などの調査についてお伝えしてまいりました。

 

ここからはFX取引において、年収(世帯年収)と勝率にはどのような関係性が見られるかについて調べてみました。

 

まずおさらいになりますが、FX取引で利益を出せているのは全体の60.3%でした。この60.3%の人々の年収(世帯年収)と勝率の関係はどうなっているのでしょうか?結論から申し上げれば「年収(世帯年収)が高いほど勝率が高くなる」傾向にあるようです。

 

具体的には、FX取引で利益を出せていると答えた人の中で、世帯年収が700万〜1000万の人の割合は71.0%、世帯年収1000万以上の人の割合は69.7%となっています。逆にFX取引で利益を出せている人の中で世帯年収が200万未満の人の割合は34.4%となっています。これは全体の割合を大きく下回っています。

 

一方でFX取引で損失を出していると答えた39.7%の人々の世帯年収についても調べてみました。実態調査によると、損失を出してしまった人の中で、世帯年収が200万円未満の人の割合は半数以上の65.5%となっています。また世帯年収が200万〜400万円の人の割合は、これも半数近い46.8%となっています。

 

以上の調査結果から「世帯年収が高いほどFX取引の勝率は高い」ということ、裏を返せば「世帯年収が低い人はFX取引で勝つ可能性は低い」という結論に行き着くことになりました。

 

これは何を表しているのでしょうか。

 

仕事で成果を出し、出世してお金を多く稼いでいる人はFX取引でも成果を出せているということでしょう。仕事でもFX取引においても、目の前にあるタスクに対しキッチリと知識を身につけて対処してきた証明なのでしょうか。

 

一方で無職やフリーターの人が起死回生、一発逆転を狙ってFX取引をするのは危険だということになります。FX取引をギャンブル感覚で行ってしまっている人もいるのではないでしょうか。

 

なお「世帯年収が低い人ほどFX取引で勝てない」という残酷な現実については、証拠金倍率(レバレッジ)との関係から考察できそうです。

 

実態調査によると、レバレッジを1倍〜15倍未満までの間でFX取引をしているのは全体の73.9%、15倍以上の高いレバレッジでFX取引をしているのは26.1%となっています。この調査結果の中で特徴的なのは、15倍以上の高レバレッジで取引をしている人で世帯年収が200万未満の人の割合は29.8%、同200万〜400万の人の割合は33.7%となっている、という点です。世帯年収が低いほど高いレバレッジでFX取引をしていることになります。

 

もう1点興味深いデータがあるのですが、「世帯年収が低い人ほどスキャルピングを好んでいる」という実態調査における調査結果です。FX取引における新規建玉(新規ポジション)の平均保有期間に関する調査なのですが、回答項目は7種類あり、その内で保有期間が1分未満〜10分未満という項目を「スキャルピング」と分類するとします。

 

実態調査の対象者の中でスキャルピングを行っているのは6.8%で、その内世帯年収200万未満の割合は13.7%となっています。全体の割合の約2倍も多くなっており、以上のことから世帯年収が低い男性はスキャルピングを好むという傾向が読み取れます。

 

また別のデータからも同じ傾向が読み取れます。実態調査の「年間でどのくらいの回数の取引を行いますか」との設問の内、年間500回以上の取引を行う、という項目を「スキャルピング」と分類するとします。この質問項目においてスキャルピングをしていると回答したのは全体の12.3%でした。その中で世帯年収別に見ていくと、世帯年収200万未満の割合は19.5%となっていることが分かりました。また職業別に見ていくと「無職・年金・学生」が16.9%となっており、全体の割合を上回っていることが分かります。

 

以上のことから「世帯年収低いから投資元本が少ないが、ハイリターンを求めるので高いレバレッジをかけて取引を行ってしまう」という傾向を読み取れます。そして恐らく彼らはFX取引に対する勉強・理解が不十分のため、損失を被る確率が高い・・・といったことが推測できるかと思います。

 

 

  • 年齢と勝率の関係

 

さてFX取引において年齢と勝率どのような関係があるかについて調べてみました。

年収と勝率の関係につきましては、大変興味深い特徴を見出すことができました。

 

まず改めてになりますが、実態調査によると対象者全体の中で「利益を出せている」と回答したのは60.3%の方でしたね。では男女別ではどうなっているでしょうか。

 

男性の中で「利益を出せている」と回答したのは60.9%、同じく女性は58.1%でした。

 

これは全体の割合とほぼ一緒なので男女の差は見受けられませんが、年齢別に見ていくと男女それぞれで面白い傾向が分かってきます。

 

まず男性についてですが、結論から申し上げまと「加齢とともに利益を出しにくくなる」ことが分かりました。年齢が高いほど勝率が低くなっているのです。利益を出している男性の中で20代の割合は61.6%、30代は66.4%、40代は62.6%と40代までは男性全体の割合を上回っていますが、50代になると50.1%、60代に至っては49.6%となっています。端的に申し上げれば年齢が高くなるほどFX取引の勝率が低くなるわけですね。

 

一方でFX取引で利益を出せている女性の割合は58.1%ですが、20代-30代が54.9%、40代-50代が59.0%、60代-70代が62.0%と「加齢とともに利益を出しやすくなっている」ことが分かります。男性とは反対に年齢が高くなるほど勝率が高く、若いほど勝率が低いのですね。

 

以上のことについては正直、背景となる根拠があるわけではありませんので何とも言えません。それでも敢えて考察するのであれば、若くて仕事をバリバリこなしている男性ほどFX取引に対しても勤勉であり、また取引のルールや様々なツールを使いこなせているのではないでしょうか。一方で年を重ねてからFX取引を始めた人はツールなどを上手く使いこなせていないのかもしれません。50代、60代でも会社の重鎮として忙しい人は多いかと思いますが、これらの年代はITに疎い人も多いように思えます。ツールを上手く使いこなせていないのかもしれません。

 

女性の場合は子どもが大きくなり、時間に余裕のできた人がFX取引を始めているのかもしれません。ルールやツールを学ぶ時間が多くあるので、自然と勝率が高くなっているのではないでしょうか?ただ先にも申し上げた通り、あくまで根拠のない筆者個人の考察であり推測ですのでご了承ください。

 

 

  • 4人に1人は証拠金を吹っ飛ばしている

 

FX取引において証拠金は重要です。FX取引における証拠金は担保に等しいものであり、通貨ポジションを得るためにその取引額に対して必要となる預託金のことです。この証拠金をもとにレバレッジ運用を行い、少ない元手で大きな額での取引が可能になります。

 

ところでFX取引には「ロスカット」という強制決済ルールが存在しています。FX会社によってロスカットルールは若干異なりますが、未確定の含み損が一定水準を超えると強制決済されてしまいます。一般的には純資産額(口座残高+約定評価損益)が証拠金を割り込んだ状況になるとロスカットが発動されるのですが、どれくらい下回ったらロスカットになるか、という一定水準(以下、証拠金維持率)というのがFX会社によって若干異なってきます。例えば証拠金維持率が50%のFX会社があるとして、レバレッジ25倍で取引するとします。1ドル=100円と仮定して、USD/JPYを1万通貨取引する場合に必要な証拠金は4万円になります。また取引を始めた際に口座内の資金が10万円だとします。この時点における証拠金維持率は250%となります(時価評価総額10万円÷必要証拠金4万円×100)。

 

しかしUSD/JPYのレートが想定と反対方向に進んでしまい、含み損が出て評価額が大きく下がってしまったとしましょう。この会社のFX会社の証拠金維持率は50%ですので、計算すると時価評価総額が2万円となってしまった場合にロスカットが発生することになります(時価評価総額2万円÷必要証拠金4万円×100=50%)。USD/JPYのレートで考えると1ドル=92円となってしまった場合ですね。

 

少し初歩的な説明が長くなってしまいましたが、この証拠金をとばしてしまった人(=ロスカットされてしまった人)の割合はどれくらいなのか?について調べてみました。結論から申しますと見出しの通り「全体の25%(4人に1人)」が証拠金を吹っ飛ばしてしまった、つまり預け入れた資産以上の損失を被ったことになります。

 

金融先物取引業協会による実態調査による質問項目「証拠金を預け入れた資産以上に損失を被った経験」の中で、その経験が「ない」と答えた割合は75.4%でした。つまり約25%の人はその経験が「ある」と答えていることになります。

 

もう少し詳しく見ていきます。まず男女差については特筆すべき点は見受けられませんでした。上記質問で経験「あり」と答えた男性の割合は23.9%、女性の割合は27.0%です。大きな差はありません。

 

次に年齢別に見ていくと、男性の場合は20代(26.9%)、女性の場合は20代-30代(31.7%)と、年齢が若い人ほど証拠金を吹っ飛ばした経験があることが分かりました。また男性では50代、女性では60-70代と高齢の人ほど証拠金を吹っ飛ばした経験がない、と答える人の割合が大きくなるのも特徴的です。男性50代は84.8%、女性60-70代は82.0%となっています。これは高齢の人ほどリスク管理が出来ていることの表れではないでしょうか。

 

職業別のデータには特筆すべき点は見受けられませんでしたが、パート・アルバイトの人は証拠金を吹っ飛ばした経験が「ない」と答えた割合が70.9%と全体(75.4%)よりかは、やや少なくなっています。それでも全体の割合から見て大きな差異があるわけではないので、こちらは参考までにといったところでしょうか。

 

最後に世帯年収別に見ていくと、証拠金を吹っ飛ばした経験が「ない」と答えた人の割合は世帯年収200万未満の人が最も高くなっています(80.5%)。しかし世帯年収200万-400万未満の人の場合は全体割合を下回ります(74.6%)。また世帯年収1000万以上の人でも全体割合を下回っています(74.2%)。これまでの調査結果からは「世帯年収が低い人ほどFX取引の勝率が低い」という傾向が見受けられましたが、証拠金を下回る損失を被った経験の有無についてはこの傾向は見受けられず、関係性は薄いようです。

 

  • 儲かる通貨は??

 

ここまでは金融先物取引業協会による実態調査をもとに様々なデータと傾向を紹介してきました。それではFX取引をしている人はどの通貨で取引をしているのでしょうか?どの通貨が儲かるのでしょうか?

 

そもそも儲かる通貨、というのは2つの種類に分けることができます。

 

「ボラティリティ(価格変動幅)が大きい通貨」と「金利の高い通貨」です。

 

ボラティリティが大きい、ということは短期間で大きなリターンを狙うことができます。

また、金利が高いほど所持しているだけで金利収入(金利スワップ収入)を多く得ることができます。

 

ここでは「ボラティリティ(価格変動幅)が大きい通貨」という観点から考察していきます。

 

「ボラティリティが大きい通貨」の代表例はイギリスポンド(GBP)ではないでしょうか。またトルコリラ(TRY)、南アフリカランド(ZAR)などの新興国系通貨も有名です。

 

特にイギリスポンドはFX取引を行う人からは「殺人通貨」と呼ばれるほどのボラティリティが大きく、多くのロスカット(一定水準以上の損失による強制決済)経験者を生み出しています。

 

ここで再び実態調査によるデータを見ていきます。まず対象者に対する質問項目「FXで取引している外国通貨」で米ドルと答えた人が最も多く(85.0%)、次に豪ドル・ニュージーランドドル(43.7%)、ユーロ(40.8%)、次に英ポンド(26.9%)となっています。また新興国通貨(南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソ、ブラジルレアル)は26.2%となっています。

 

このデータからは全体的に「情報を入手しやすい通貨でFX取引を行っている」「ボラティリティの低い通貨が好まれている」という傾向を読み取ることができるのではないでしょうか。ボラティリティの大きい通貨ほど短期間で大きなリターンを得ることが可能ですが、裏を返せば「短期間で大きな損失を被ることがある」ということになります。

 

ちなみに同実態調査によると「殺人通貨」英ポンドを多く取引しているFXトレーダーの割合を世帯年収別でみていくと、世帯年収200万未満(34.5%)と世帯年収1000万以上(32.1%)と極端に分かれています。資金に余裕のない人が一発逆転を狙う、資金に余裕のある人がリスクを把握した上で取引をしているか、本当に両極端な傾向が読み取れます。

 

ところで先に何度も申し上げた通り、世帯年収が高いほどFX取引における勝率が高くなる、という全体的な傾向が見受けられます。この世帯年収1000万以上の人においても、米ドルの取引を好む傾向にあり(88.1%)、情報量を入手しやすい通貨こそが結果として「儲かる通貨」であると言えるのではないでしょうか。

 

情報量が多い=判断材料が多いということです。情報量が少ない=判断材料が少ない状況での取引はリスクが大きい、ということを認識しておくべきではないでしょうか。

 

  • まとめ

 

以上、金融先物取引業協会による実態調査によるデータから、様々な傾向を読み解いてまいりました。FX取引で利益を出すことができているのは全体の6割であることから「これからFXを始めてみよう!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、FX取引のルールやリスクなどについて学んだ上で取引されることを推奨致します。

 

職業、年齢、世帯年収別で色々な傾向が読み取れますが、例えば「私は世帯年収が低いからFX取引では勝てないのかな・・・」と悩む必要はないと思います。上記の通り、例えば仕事、スポーツ、そしてFX取引にしても、ルールを学び、リスクを把握しなければ勝てません。

 

最後に。FX取引をするのであれば、ロスカットによる損失を防ぐためにも「損切り」をしましょう。損切りとは一定の割合で損失を確定させることです。どれくらいの損失が出たら損切りを実施するか、自分で決めたそのルールを徹底して守ることで「損小利大」を実現しましょう。損失確定幅を小さく、利益確定幅を大きく取ることがFX取引の鉄則です。大きく損失が出ているのに「これからまた上がる(下がる)かもしれないから・・・」と塩漬けにすることはロスカットへの道を歩んでいるのと同義です。リスク管理は徹底的に行いましょう。

 

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