FXの証拠金維持率とは何?

「FXの証拠金維持率って何?どんな意味があるの?」
「証拠金維持率の計算ってどうするの?維持率が下がったらどうなるの?」

など、FXの証拠金維持率について疑問を持っている方は多いでしょう。証拠金維持率の内容を知っていないと、適切なリスク管理や資金管理はできません。ロスカットになって資産の大半を失ってしまうでしょう。そうならないためにも、FXを始める前に証拠金維持率について理解しておくべきです。

そこで本記事では、証拠金維持率の内容や計算方法などについて紹介しています。この記事を読めば、FXのリスク管理・資金管理がしやすくなり、大損を回避できます。

これからFXを始める方は、ぜひご覧ください。

証拠金とは?

証拠金は、担保資金のことで「必要証拠金」「有効証拠金」「最低証拠金」の3つの証拠金があります。

ここでは、FXの証拠金の意味や3種類の証拠金の内容について、確認していきましょう。

FXの「証拠金」

証拠金とは、FX取引をする際に担保として業者に預ける資金のことです。FXのように、証拠金を担保として取引することを「証拠金取引」といいます。国内FX業者を利用する場合、証拠金の対象は日本円のみです。FXは、最初に証拠金を入金して取引をスタートさせます。

証拠金の必要最低額

FX業者によって証拠金の必要最低額は異なります。また、米ドル、ユーロ、円など取引する通貨でも違いがあります。たとえば、国内FX業者の「外為どっとコム」と「外為オンライン」の必要最低額は次のとおりです。※2020年4月時点、1,000通貨の場合

●外為どっとコム
・米ドル/円:4,500円
・ユーロ/円:4,900円
・ユーロ/米ドル:4,900円
・ポンド/円:5,400円
・カナダドル/円:3,200円
・スイスフラン/円:4,600円
・豪ドル/円:2,700円
・NZドル/円:2,700円
・トルコリラ/円:700円

●外為オンライン
・米ドル/円:4,340円
・ユーロ/円:4,750円
・ユーロ/米ドル:4,750円
・ポンド/円:5,410円
・カナダドル/円:3,110円
・スイスフラン/円:4,500円
・豪ドル/円:2,760円
・NZドル/円:2,640円
・トルコリラ/円:650円

もし、米ドル/円の1,000通貨取引をしたい場合は、最低でも4,500円の証拠金が必要になるということです。1万通貨の場合は上記金額の10倍になります。そのため、以下のような業者・通貨を選ぶことで「少ない資金でFXを始める」ことができます。

・1,000通貨のFX業者を選ぶ
・同じ通貨でも必要証拠金が少ない業者を選ぶ
・必要証拠金が少ない通貨を選ぶ

証拠金の種類

証拠金には、次の3種類があります。

・必要証拠金
・有効証拠金
・最低証拠金

それぞれの内容について紹介していきます。

必要証拠金

先に紹介したとおり、必要証拠金とは取引するために最低限必要となる証拠金のことです。業者によって基準が異なりますが「1通貨の値段×取引単位÷25(レバレッジ)」で算出できます。たとえば、1ドル=110円で1,000通貨単位の場合は「110円×1,000通貨÷25=4,400円」となります。

有効証拠金

有効証拠金とは、取引に使える証拠金のことです。口座へ入金した証拠金に保有ポジションの含み益・含み損、スワップポイントの損益を反映させたものになります。

・有効証拠金が多い→取引余力がある
・有効証拠金が少ない→取引余力がない

と判断することができます。

最低証拠金

最低証拠金とは、ポジションを保有するために最低限必要な証拠金のことです。必要証拠金と似ていますが、

・必要証拠金→レバレッジによって変動する
・最低証拠金→最大レバレッジを前提とする

という違いがあります。一般的に、最低証拠金は「取引金額÷レバレッジ」で算出が可能です。


証拠金維持率とは?

証拠金維持率とは、取引証拠金に対する有効証拠金の割合のことです。つまり、保有しているポジションの評価額が口座残高に対してどれくらいあるか、を示した数字になります。

そのため、

・証拠金維持率が高い=取引余力に余裕がある
・証拠金維持率が低い=取引余力に余裕がない

となります。証拠金維持率が一定水準を下回ると、追証やロスカットが発生する可能性があるため注意が必要です。FX取引をする上で、証拠金維持率を管理することは非常に重要になります。「証拠金維持率の管理=資金管理」であり、適切な管理ができていれば大損することもありません。

FX取引をする際は、証拠金維持率に注目をするようにしましょう。また、証拠金維持率は、各業者が提供しているパソコンツールやスマホアプリで簡単に確認できます。


証拠金とロスカットの関係について

各証拠金の把握や証拠金維持率の管理ができていないと、ロスカットになり資産の大半を失うことになります。このような事態を避けるためにも、証拠金とロスカットの関係について理解しておきましょう。

ロスカットとは

FXには、投資家の資産を保護するために「ロスカット」という制度があります。ロスカットとは、保有ポジションの含み損が拡大し、証拠金維持率が一定水準を下回った場合にポジションを強制執行する仕組みです。

仮にロスカットがない場合は、含み損がどんどん大きくなり、預けていた資産を全額失う可能性もあります。場合によっては、全額失うだけでなく、追加でお金を支払わなくてはなりません。ロスカットが執行される水準は各業者で異なります。以下は、主な国内FX業者のロスカット水準です。

・外為どっとコム:証拠金維持率100%
・外為オンライン:証拠金維持率20%or100%(コースにより異なる)
・SBI FXトレード:証拠金維持率50%
・GMOクリック証券:証拠金維持率50%
・ヒロセ通商:証拠金維持率100%
・DMM FX:証拠金維持率50%
・YJFX!:証拠金維持率50%
・楽天FX:証拠金維持率50%
・マネックスFX:証拠金維持率50%・60%・70%・100%から選択
・セントラル短資FX:証拠金維持率100%
・外為ジャパン:証拠金維持率60%
・JFX:証拠金維持率100%
・FXプライムbyGMO:証拠金維持率80%

ロスカットが執行されると、保有ポジションが強制決済となり、含み損がすべて確定してしまいます。そのため、上記の水準を下回らないように、常日頃から資金管理を徹底しておくことが大事です。また、ロスカットを回避するために、日頃から以下2つのポイントを意識しておきましょう。

低いレバレッジで取引する

ロスカットを回避するためにも、レバレッジは低く抑えるようにしましょう。レバレッジが高いと、わずかな値動きで大きな損失を負ってしまうためです。証拠金維持率に余裕が無い中で含み損が大きくなれば、すぐにロスカットが執行されてしまいます。特に、相場のボラティリティが高い時は短時間で1円以上動くため、ハイレバレッジ取引だと一瞬で資産を失ってしまいます。

レバレッジが低ければ値動きによる損失を抑えられるため、ロスカットリスクを軽減できます。

損切りをラインを決めておく

ロスカットを回避するためにも、損切りラインを決めておきましょう。

・含み損が●●円になったら損切り
・△△pips動いたらリセットする

など、自分自身で損切りルールを定めて実行することが大事です。損切りを徹底すれば含み損の拡大を防ぐことができ、ロスカットを回避できます。FXの取引を始める前に、損切りルールを決めておきましょう。

マージンコール

ロスカットと合わせてマージンコールについても覚えておきましょう。マージンコールとは、マージン(証拠金)コール(要求)の名の通り、ロスカットの危険を知らせ追加証拠金の入金を促す通知のことです。マージンコールが出た場合は、以下の対処法があります。

・追加の証拠金を入れる
・ポジションの一部を決済する

追加の証拠金を入れたりポジションの一部を決済すれば、証拠金維持率が高まりロスカットリスクを軽減できます。マージンコールについても、業者によって水準が異なります。また、マージンコールがない業者もあります。業者を選ぶ際は、マージンコールが発生する水準についても、確かめておきましょう。

尚、マージンコールが発生して何もしないままだと、高い確率でロスカットになるため注意してください。

アラートメール

FX業者によっては、アラートメールを通知しています。アラートメールとは、マージンコールのように追加証拠金を求めるものではなく、「ロスカットの危険性が迫っている」ことを知らせる通知です。業者によってアラートメールが通知される水準も異なります。以下は、主な国内FX業者の通知水準です。

・外為どっとコム:証拠金維持率200%
・外為オンライン:証拠金維持率125%
・GMOクリック証券:証拠金維持率100%
・ヒロセ通商:証拠金維持率200%
・DMM FX:証拠金維持率100%
・YJFX!:証拠金維持率100%
・マネックスFX:設定する証拠金維持率ごとで異なる
・セントラル短資FX:証拠金維持率125%
・外為ジャパン:証拠金維持率100%
・JFX:証拠金維持率200%
・FXプライムbyGMO:証拠金維持率100%

アラートメールが通知されたら、証拠金維持率を高めるための素早い対処が必要です。

証拠金維持率の計算方法

ここでは、証拠金維持率の計算方法について確認していきましょう。

計算方法

証拠金維持率は、取引ツール上で確認できますが、どのような計算で算出されるのか知っておくことは大事です。理解を深めることで、リスク対策もしやすくなります。計算方法は以下のとおりです。

・証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100

たとえば、証拠金5万円を入金して1ドル=100円の時に米ドルを1万通貨購入します。レバレッジ25倍であれば、1万通貨(100万円分)購入するのに必要な証拠金は、「100万円÷25=4万円」となります。この場合「5万円÷4万円×100=125%」となり、証拠金維持率は125%です。

このように、有効証拠金と必要証拠金から証拠金維持率を算出することができます。また、有効証拠金と必要証拠金の増減によって維持率がどう動くかも覚えておきましょう。

・必要証拠金はそのままで有効証拠金が増える→証拠金維持率は高くなる
・必要証拠金はそのままで有効証拠金が減る→証拠金維持率は低くなる
・有効証拠金はそのままで必要証拠金が増える→証拠金維持率は低くなる
・有効証拠金はそのままで必要証拠金が減る→証拠金維持率は高くなる

証拠金維持率が100%を下回る時

有効証拠金が必要証拠金を下回ってしまうと、証拠金維持率が100%を切ることになります。これは、取引余力がない状態であり、多くの業者ではロスカットが執行されるので非常に危険です。このような状況に陥ることがないように、リスク管理や資金管理を行う必要があります。維持率が100%を下回るような状態は「異常」であることを理解しておきましょう。

証拠金維持率の安全圏

「どれくらいの証拠金維持率があれば安心なの?」と気になっている人も多いでしょう。ここで紹介するように、短期売買は300%以上、長期売買は1,000%以上の証拠金維持率を目安にすることをおすすめします。これらの水準でも「絶対に安心」ということはありませんが、ロスカットの危険性を大きく軽減することが可能です。

FX初心者の方は、これらの水準を目安として、証拠金や取引量、レバレッジを考えるようにしてください。

短期売買は最低300%以上

ポジション保有時間が数秒〜数分間と短い超短期売買の「スキャルピング」や、保有したその日のうちに売買する「デイトレード」を行う人は、証拠金維持率が最低300%以上は欲しいところです。

短期売買のメリットはポジション保有時間が短く、為替変動リスクを軽減できることです。常にチャートをチェックしているため、相場が大きく値動きしてもすぐに対処できます。

とはいえ、証拠金維持率が100%〜200%程度だと、対応遅れやレバレッジ次第でロスカットの危険性が高くなります。そのため、最低でも300%以上の証拠金維持率は保つようにしましょう。必要証拠金を証拠金に対して3分の1以下に抑えるだけなので、それほど難しいことではありません。

また、短期売買の際はレバレッジを低めに抑えましょう。「すぐに手放すから」と高いレバレッジで取引をしてしまうと、急な相場変動が起きた際にロスカットに巻き込まれてしまいます。経験豊富なベテラントレーダーであればいいですが、初心者には危険です。初心者の方はレバレッジ10倍以下に抑えるようにしてください。

このように、FX初心者で短期売買をする方は「証拠金維持率300%以上」「レバレッジ10倍以下」を最低ラインと考えておきましょう。

長期売買は最低1000%以上

数週間〜数ヶ月間保有する長期売買を考えている場合は、証拠金維持率1,000%以上は欲しいところです。なぜなら、長期保有すると為替変動リスクが大きくなるためです。スワップポイント狙いだとしても、為替変動によってそれ以上の損失を負うことがあるので注意が必要してください。

また、長期売買は、短期売買のように常にチャートを見ているわけではありません。「1日1回チャートを確認する」「1週間に2〜3回だけチャートを見る」などあまり見ない人が多いです。そのため、急な相場変動に対応できません。チャートを見ていない間に含み損が拡大する可能性があるため、十分な証拠金維持率を維持しておく必要があります。

そのため、長期売買の場合は最低でも証拠金維持率1,000%以上はキープしましょう。レバレッジに関しても低く抑えるようにしてください。できれば、初心者の方は2倍〜3倍以下に抑えましょう。長期売買の場合は「証拠金維持率1,000%以上」「レバレッジ2倍〜3倍以下」を安全圏として考えるようにしてください。

日々のリスク管理・資金管理が大切

上記で紹介した安全圏を維持できたとしても、100%安心できるわけではありません。世界情勢がものすごいスピードで変化する中で、相場がいつ急変してもおかしくないからです。そのため、損切りの徹底や低レバレッジ、相場分析、証拠金維持率のチェックなど、リスク管理や資金管理を徹底するようにしましょう。日々のリスク管理や資金管理ができていれば、ロスカットを回避できるだけでなく、大きな損失も防ぐことができます。

まとめ

ここでは、証拠金維持率の内容や計算方法などについて紹介しました。最後にここで紹介した重要な4つのポイントをまとめています。

・証拠金維持率とは取引証拠金に対する有効証拠金の割合のこと
・「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算できる
・証拠金維持率が一定水準を下回るとマージンコールやロスカットが発生
・証拠金維持率は「短期売買300%以上」「長期売買1,000%以上」を目安として取引をする

ここで紹介したように、FXをする上で証拠金維持率の把握と管理は非常に重要です。把握や管理ができていないと、ロスカットになって資産の大半を失うことになります。

ただし、証拠金維持率の変動を注視しながらリスク管理や資金管理をすれば、安全圏で取引ができロスカットも回避できます。FX業者を選ぶ際は、ロスカットやマージンコール、アラートメールの水準についても確認をするようにしてください。これらの内容を参考にして、早速、FX取引を始めていきましょう!

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